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2006年 09月 07日
『髪結いの亭主』『仕立て屋の恋』など、「恋愛ってステキ♪」な感じを淡々と描きながら、最後の大どんでん返しで観た人を恋愛不信に陥れたいんかいな、と思わせる、人間の深部を美しい映像で綴り続ける大御所パトリス・ルコントの最新作『DOGORA (ドゴラ)』。
彼はこの作品の制作に際し、 以前から、役者がいない、シナリオもない、言葉さえもない、ただ純粋に感情に訴え、心を揺さぶる映画を作りたいと思ってた。 10年前はその勇気がなかっただけだ。長年の想いを実現できたことにとても満足している。私の心の鼓動にもっとも近い、そしてもっともシンプルな作品 と発言している。 ルコントがカンボジアの風景をバックに物語のない、ドキュメンタリーでもない映像作品を作った、と知ったのは今年の5月、「アートマネージメント、あっという間の5年間展」にトークイベントのゲストでお招きしたドラフトのアートディレクター、柿木原政弘氏に、「スーパープレゼンテーション」と題してお話を伺った折でした。 「DOGORA」のアートディレクションを依頼された柿木原さんは、 ー パトリス・ルコントは何を感じたのか エティエンヌは何を感じたのか そして二人の間に何がおきたのか を発想の切り口に、ビジュアルへの落とし込みを行ったそうです。 ー 決して二人は共通点を見出したのではない ー 生命力 これを言葉で伝えず、映像と音楽で伝えようとしている ー きっと何かを求めているうちに2つの円が重なった。 ただそれだけ との思いを抱いた柿木原さんは、 ー グラフィックデザインで生命力を感じさせること を、テーマに定め、 ー 恵…太陽・雨・風・木・実・動物・人 それらのものを、シンボリックで神を感じさせるような線画で表現 しようと考えます。 そこで、アールヌーボー、アールデコの線画の資料を漁り、宗教画などから素材を求めますが、中々イメージするビジュアルが見つからない。 そこで、自分のイメージで線画を起こすことにしました。↓ この線画イメージを、イラストレーターの大塚いちお氏にお渡しし、着彩をお願いしたところ、出来上がったのが、今回のポスター&フライヤーのメインビジュアル。↓ 柿木原さんは、こんなビビットな色合いの明るいイラストが仕上がってくるとは思ってもみなかったそうです。 期しくも、このビジュアルのテーマだった「決して二人は共通点を見出したのではない」という言葉通り、柿木原さん+大塚さんのイメージが足し算が単純計算ではない効果を発揮した結果となったのでした。 ルコント+エティエンヌ=DOGORA カンボジア+エティエンヌのシンフォニー=DOGORA の数式と、思わぬ共通項の見つかるお仕事ですね。 ■ 『DOGORA』は、恵比寿の東京都写真美術館で上映中です。 ルコントのイメージを漫然と撮り綴ったようなこの作品。下手したら「NHK名曲アルバム」と同じ印象になっちゃいそうですが、ルコントの映像哲学と、「カンボジアの生命力、特に子供のまなざし」という一本筋テーマを表現することにより、圧倒的な感動で包まれる作品に仕上がっています。 人のいない、でも生活感を充満させる貧しい長屋 美しい王宮を孕むプノンペン その近郊に広がるゴミ集積場と、そこのゴミで生活の糧を得る人々 メコンデルタの雄大な自然と水上の村々 ぎゅうぎゅうになって昼寝する子供 カンボジア自体、その栄光と悲劇の歴史やクメール人の人間性など、とにかく魅了させられる国なのですが、この作品は、「カンボジア」のバックボーンをあえて認識に入れず、映像だけを楽しむ見方で接すると、今まで経験したことのない不思議な映像体験ができるのでは、と思います。 ■ さて、ここで、その「魅惑のカンボジアこぼれ話」 『DOGORA』でも印象的に描かれる「ホンダのスクーターに何人乗れるの一体?!」な、バイク乗車風景は、まさにカンボジアの風物詩といっても過言ではありません。 でね、カンボジア人ってステキ! と思ったのが、あんなに無理くり乗ってるのに、何人乗りの場合でも女性は斜め座りするんですよ。 つまり、正面を見ずにこう、横座りです。足を閉じて。 「なんで横座りするの? 危険じゃない?」 と、カンボジア人の女性に聞いたところ、 「だって足を広げて座るなんてはしたない」 との回答を得、大股かっぴろげて乗車していた私は、女子として猛省した記憶があります。 ■ 東京都写真美術館 毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日) ※9/18(月祝)は18:40〜の回休映 ■会 場:1階ホール ■料 金 [当日券]:一般 1,800円/学生 1,500円/中学生以下・シニア(60歳以上) 1,000円 (レディースデー・映画の日の設定はありません) ■上映時間:11:00/12:50/14:40/16:30/18:40 配給 アルバトロスフィルム カンボジアにご興味があれば・・・ カンボジア政府観光局 text: 加藤智子
by moveartmanagement
| 2006-09-07 14:59
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